今月末の、宇都宮自作オーディオ会の出し物として、今は絶滅してしまった「マルチビット型DAC」を用意しました。
参考: マルチビット型DAC
デジタルデータをアナログ数値に変換する素子(ラダー抵抗など)を使用し、デジタル値の大きさに応じて重み付けされたスイッチング素子からの出力を組み合わせ、最終的なアナログ出力を取り出す方式のDAC
最近主流のデルタシグマ型に対して性能で劣ることはないのですが製造コストは高い為、、既に製造中止されて久しいマルチビット最高峰である「PCM1704」の市場価格はとんでもない事になっているようです。
そんな高性能ではありませんが、今回の出し物DACには、20ビットの最終DACである「PCM63P」を搭載しており、96khz以上でなければ聴くことが可能です。(20ビットDACですが、24ビットでも動作可能)
DACチップの後部回路は非常にシンプルで、IV変換→バッファーの2回路オペアンプしか無くて、DC防止のコンデンサもありません。
其の為に、オペアンプの音質の違いを明確に聴くことが出来ると考えています。
手持ちのオペアンプを聴き比べてみました。
① NJM4580DD ¥60(2025/04現在)
動作電源電圧 (±2〜±18V)
低雑音 (0.8μVrms typ. (RIAA))
広利得帯域 (15MHz typ.)
低歪率 (0.0005% typ.)
スルーレート (5V/μs typ.)
何と言っても価格が素晴らしい、現在でも秋月電子60円/個と抜群です。
音は非常に明快な力のある感じで、時に高域の粗さが目立つときもあるけれども、楽曲に依ってはこれが最適とも思えたりもする。
② 「LME 49860」(ディスコン)
動作電源電圧 (±2.5〜±22V)
低電圧雑音密度(2.7nV/√Hz)
全高調波歪率+ノイズ(0.00003%)
スルーレート (20V/μs typ.)
低域、高域までクリアな感じで、ワイドレンジ。
その為に、ちょっと平面的に感じることもあるけれども、超優等生的な性能だと思います。
③ 「LME49720NA」 ¥825
動作電源電圧 (±2.5~±17V)
低電圧雑音密度(:2.7nV/√Hz )
全高調波歪率+ノイズ (0.00003% )
スルーレート (20V/μs typ.)
LME 49860の後継機種と思われるが、こちらも超高性能でワイドレンジ。
低音は低く沈み込み、高域もきれいに伸びるが、ちょっと優等生すぎるかもしれない。
④ 「MUSES8820」 ¥400 (2025/04現在)
動作電源電圧 Vopr= ±3.5V ~ ±16V
低雑音4.5nV/√Hz
全高調波歪率+ノイズ(未公開)
スルーレート(5V/µs typ.)
ちょっと、4580DDに似た感じだけど、高域の粗さを抑えた感じ。
低域には力が有りそうですが、周波数レンジはそんなに広くは無い様に思える。
⑤ 「MUSES01」 ¥3500 (2025/04現在)
動作電源電圧 ±3.5V to ±17V
低雑音 8.0nV/√Hz typ. at f=1kHz
歪率 0.0004% typ. at f=1kHz
高スルーレート 25V/μs
鳴り物入りの高性能、JFET入力で低雑音でワイドレンジ、高スルーレートも高性能の証だが、なにしろ価格が高い。
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オペアンプ等の半導体には旬があります。
気に入ったものは、即買いを進めます。
すぐにディスコンに成ったりするし、中古価格も上がり気味。
その上に怪しい偽物も出回ったりと、後で買おうとしても中々良いものは入手できなくなる可能性があります。
「LME49720NA」を、今のうちにもう少し買っておこうとも思っています。
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